農林水産先端技術産業振興センター会員誌STAFF

社団法人農林水産先端技術産業振興センターが発刊している
「STAFF news-letter」。

このセンターの会員企業の主に研究開発部門の方や
研究機関、大学などに送られている冊子です。

数回にわけて『時評』というコーナーで
事業の現状や私が考えていることなどを
お伝えすることになりました。

今回のタイトルは『農的サービス』。

今回は初回ということで、今までの事業展開のあらましを
要約してお伝えするような内容になりました。

ちょうどこの4月から大学院での研究も始まったので
事業と研究のことなども今後は触れたいと考えています。

農業生産法人 ㈲さかうえ 代表取締役 坂上隆

—–STAFF原稿———————————————————
『農的サービス』
私の農業経験は失敗から始まった。
当初、父を手伝ったが次第に自分の考えで動きたくなり、
青首大根の栽培を始めた。しかし簡単に売れるものではない。
初めての作物栽培は家一軒分の損失で終わった。

そこで学んだのは「いかに損をしないか」ということだ。
要望に叶うものを、農業技術と経営ノウハウを駆使して栽培し、
損をしないレベルで売買する。取引から取組へ、
さかうえ流契約栽培の基礎となる考え方である。

 次にコンビニのおでん用大根栽培の話が持ち込まれ、
大量納品のノウハウ確立に大いに役立った。
その様子を見ていた人から、スナック原料となるじゃがいも栽培に
誘われた。それが現在も続いているカルビー様との出会いとなる。

ケールやさつま芋の契約栽培も始まり品種が増える状況で、
新規事業の芽も生まれた。

畑に漉き込むソルゴーを見た畜産農家に
「家畜の餌に分けてほしい」と言われ、牧草飼料事業の構想が始まった。

 畜産農家に聞き取り調査を行い、畜産業界・経営についても調べた。
経営状態や海外飼料への依存がわかり、有機物循環型のビジネスモデルを構築した。
食料・飼料の自給率を向上させると注目されている。

 IT経営支援事業では自社の必然から開発した
「農業工程支援システム」を提供している。ITの情報処理力を活用し、
データ蓄積とそれに基づいて未来を計画したいと考えた。
農業経営者仲間から要望をもらい、経営改善に役立つならと事業化を決めた。

 弊社の事業は全てサービス業だ。例えば契約栽培事業では作物の形で納品するが、
提供するのは質・量・時で説明されるサービスである。
農業界には現在でも様々な問題があり、一方、農業が貢献できる
社会の課題も多いと確信する。農的サービスの可能性は大きい。

 この春、九州大学大学院に入学した。農業経営学が専攻である。
視野を広げ、社会に貢献できる農的サービス実現のために必要だと
考えたのだが、新しい出会いや思考、経験を楽しみにしている。

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